岩手県盛岡市保健所は今月15日毒キノコの「クサウラベニタケ」を知人からもらって煮物にして食べたとみられる3人が食中毒を発症したと発表しました。
クサウラベニタケはツキヨタケについでもっとも誤食の多いキノコと言われていて、厚生労働省の調べによると年間5~20件ほどの誤食ケースが発生するそうです。
秋のシーズン中は特に素人がシメジと間違って採取して食べてしまうケースが増えるのでご注意ください。
この記事ではクサウラベニタケの写真やその毒性、誤食した場合の症状などまとめてみました。
【クサウラベニタケ】概要・特徴

クサウラベニタケの特徴や発生場所をまとめました。
厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」のページから引用させていただきます。
- 名前:クサウラベニタケ(Entoloma rhodopolium)
- 科・属:イッポンシメジ科イッポンシメジ属
- 傘の大きさ:3 ~10 cm程度で比較的小型~中型
- 色や形:
傘 :灰色~黄土色(赤みを帯びるものもある),茶色のものもある。乾燥時は絹のような光沢があり,湿潤時は濡れたような色, ムラがあり,粘性がある。
ひだ:白色から成熟すると肉色になる。
柄 :柄にも絹のような光沢がある。比較的、細い。縦スジがある。
- 発生時期:夏から秋
- 発生場所:広葉樹の地上に発生する
- 味:粉臭さやガス臭さはあるが苦味はない
- 間違いやすい食用キノコ:ウラベニホテイシメジ(かじると苦いため区別できる)、ホンシメジ、ハタケシメジ
- 毒性成分:ムスカリン、ムスカリジン、コリン
乾燥時と湿っている時の傘の見た目がかなり違うのは注意ですね。
ひだの色が成長度によって違うのも留意しなければいけません。
以下に写真をまとめました。
【クサウラベニタケ】写真
クサウラベニタケの傘は黄土色でひだは白色に近いものの写真です。

↓クサウラベニタケの成熟したもので傘は茶色、ひだは肉色のものの写真です。

傘が灰色で中心から放射上にシミのあるもの(一番左)。やや大型の黄土色で傘の周囲が波打って上に反っているもの(右から2番目)
一番右はしいたけに見えますね。。こちらもクサウラベニタケ(茶色)です。

↓柄は細いもの、太いもの、中が空洞のもの、詰まったものとさまざま。

クサウラベニタケによく似た食用キノコ写真
ウラベニホテイシメジは傘に斑点のような跡がありますが成熟前や傘が開く前のものは斑点がないものもあります。傘にかすり模様があるものもあります。
柄がクサウラベニタケに比べると太くしっかりしているのが特徴。

カクミノシメジ(左),ハタケシメジ(中),シメジモドキ(右) いづれもクサウラベニタケに良く似ていて誤食の可能性のあるものです。

【クサウラベニタケ】誤食した場合の症状
食中毒の型は胃腸系・神経系で、中毒症状は腹痛、嘔気、嘔吐、下痢など。
2000年から2015年までで死亡したケースは報告されていませんが、ムカスリン類を含むことから神経系のムカスリン中毒の症状が出る場合もあり、ひどい場合は死に至るケースもあるとのこと。
誤食した場合は10分から数時間で発症するそうです。
【クサウラベニタケ】まとめ
クサウラベニタケの見た目の特徴や誤食した場合の特徴などまとめました。
映画の「Into the Wild」を思い出して悲しくなってしまいました。😢
シーズン中は特に気をつけましょう。
リトル・ミーでした。